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title. project k-2『???香合』

date. 2019

city. Tokyo

type. 樂、焼締め​

​個人蔵

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オーパーツ、、という言葉と、この写真を見せられたら何に見えるだろうか。

答えは、現代人の多くが、日々使っているであろうものの一部である。

仁清に「錠前花入」という作品がある​。

形状は蔵で使われるような大きな錠前、機能はあくまで花入として陶器で作られたものである。

錠前はそのままでは花入として使えないから、純粋な「見立て」ではない。

日常見られるものをモチーフに、その形やイメージが茶室にふと現れたときの面白さを狙っているように思われる。

「錠前」に代わるモチーフを探してみると、いかに錠前が絶妙なモチーフだったのかが分かる。

自然すぎてもならないし、特殊すぎてもならない。

やや特徴的な形をしており、誰しも或る種の愛着を持っているようなもの。

その面白さを上手く言葉で表せないのがもどかしくもり、故にこのタイプのモチーフを探すのにこれほど苦労しているのだろう。

やっと捻りだしたのが、キーボードのEnterキーである。

この「疑似見立て」のような試みが成功しているかは鑑賞者の反応次第だが、これからも模索していきたい。

ちなみに、この作品は1100℃~1200℃の窯の中で焼き締めたので、文字や矢印がやや変形しているほか、炭の灰が釉薬となって付いていることで、少し判読が難しくなっている。

なので、作者調べでは7、8割の人がパット見てモチーフがEnterキーだとは気が付かない。

しかし不思議なことに、ひとたび答えが分かると、もうそれにしか見えなくなってくる。

​このアハ体験的な要素は、比較的本物に忠実に作ったEnterキー香合2にはあまり見られないものである。

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