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2024/05/ 16 UPDATED!
title. project k-2『???香合』
date. 2019
city. Tokyo
type. 樂、焼締め
個人蔵
オーパーツ、、という言葉と、この写真を見せられたら何に見えるだろうか。
答えは、現代人の多くが、日々使っているであろうものの一部である。
仁清に「錠前花入」という作品がある。
形状は蔵で使われるような大きな錠前、機能はあくまで花入として陶器で作られたものである。
錠前はそのままでは花入として使えないから、純粋な「見立て」ではない。
日常見られるものをモチーフに、その形やイメージが茶室にふと現れたときの面白さを狙っているように思われる。
「錠前」に代わるモチーフを探してみると、いかに錠前が絶妙なモチーフだったのかが分かる。
自然すぎてもならないし、特殊すぎてもならない。
やや特徴的な形をしており、誰しも或る種の愛着を持っているようなもの。
その面白さを上手く言葉で表せないのがもどかしくもり、故にこのタイプのモチーフを探すのにこれほど苦労しているのだろう。
やっと捻りだしたのが、キーボードのEnterキーである。
この「疑似見立て」のような試みが成功しているかは鑑賞者の反応次第だが、これからも模索していきたい。
ちなみに、この作品は1100℃~1200℃の窯の中で焼き締めたので、文字や矢印がやや変形しているほか、炭の灰が釉薬となって付いていることで、少し判読が難しくなっている。
なので、作者調べでは7、8割の人がパット見てモチーフがEnterキーだとは気が付かない。
しかし不思議なことに、ひとたび答えが分かると、もうそれにしか見えなくなってくる。
このアハ体験的な要素は、比較的本物に忠実に作ったEnterキー香合2にはあまり見られないものである。
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