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石窟都市碗

楽焼(2024年、東京)

五年前にヨルダンのペトラを訪れた。長いシークと呼ばれる峡谷の道を抜けると、岩壁に穿たれた遺跡に辿り着く。灼熱の中、尚も歩き続け、階段を登っていくと、同じく岩をくり抜いてつくられた修道院に辿り着いた。壮大なスケール感と古代の薫りにいたく感動したのを記憶している。また昨年、ウィーンで初めてブリューゲルのバベルの塔を観た。暫く滞在していたスイスでは、印象的な岩壁をしばしば目にした。こうした、これまで観てきた様々なものを背景に、茶碗をつくった。
5種類の釉薬を掛け分け、焼締めながらも酸化還元を慎重にコントロールし、この茶碗のスケール感にふさわしい風合いを持つように焼くことを心がけた。

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