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title. project 3-19 壺樂盌

date. 2022

city. Tokyo

type. 樂

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夜中に、無性にモノ作りがしたくなることがある。

静かな環境下で没頭できるからか、はたまた時間が無限にあるように感じられてしまうからであろうか。

気がついたら朝になっていて、窓からは朝の陽の光がさし、鳥の鳴き声がする。

この一碗もコロナ下の、そんな夜更けに削り上げた茶盌である。

いつも明確な目標があって形を作り始める訳でもない。

はじめはオーソドックスに碗を立ち上げ、その瞬間の手の動きによって何か面白くならないかと期待しながら造っていく。

しかし、どうもしっくりこない。

手元にあった自作の棍棒のような道具で、まだ締めきっていない茶盌の腰を外から叩き上げた。

するとイメージが湧いてきて、高いところに腰があり、少し口がすぼまったような餌畚(えふご)形の茶盌をつくることにした。

かつてどこかで見た、力強い丹波焼のイメージも重ね造形していった。

全体の動きに負けないようなはっきりとした高台、ゴツゴツした厚造りの口辺部(飲み口は適切な薄さにしている)が特徴である。

ヒビもあり、全体にとても動きのある一見荒々しい茶盌だが、飲みやすさや使いやすさはこだわって造作した。

赤系の化粧土と釉薬を三層に掛け分けているほか、一部緑色に窯変を起こしている部分もあり興味深い景色となっている。

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