top of page

title. project t-1『日月地棚』

date. 2017

city. Tokyo

type. 棚

IMG_20240221_193137.jpg
DSC_2435.JPG
DSC_2436.JPG
DSC_2437.JPG
DSC_2433.JPG

お茶を始めた頃は特にフットワークが軽く、その日学んだことを、すぐさま活用して物を作ろうという勢いがあった。

 

まだそれほど棚を知らなかった時分に、桑小卓(くわこじょく)を使った稽古をした。

桑小卓とは桑木地の棚で、矢を立てておく矢台から作られたという話もあり細長い姿をしている。

​平建水を用いるところに大きな特色がある棚なのだが、私は個人的に柄杓を柱から柱に向かって立て掛ける動作が気になった。

合の向きは家元によって違うようで、軸からの距離で僅かに不利な某流派の置き方にはやや閉口しつつ、柄杓を飾り付けた姿のダイナミックさには惹かれるところがあった。

そこで、この飾り付け方を採用し、それによってある程度自由度を得る棚板の形状を求められる機能に合わせ小さくし、さらに中板の一部、合の掛かる部分を欠いた形にし、日月棚の一種とする棚を紙に描きながら構想した。

そこからは、まさに勢いに任せ部材の寸法を手計算して、近所のホームセンターに木材と塗料を必要分、買いに行った。

電動工具があればよかったのだが、そのような設備はなく、ハンディ糸鋸で円やアールを切り出していく。

棚の多くは組み立て式であることを、当時はあまり意識しておらず、細工を用意せず接着してしまった。

もしまた棚を作る機会があったら、組み立ての仕組みも考えたいと思う。

出来上がってみると、意外とちゃんと使える棚になった。

茶通箱に関しては天板に置くとプロポーションがあまりに悪いので棚には置けないこと以外は、概ねどのような棚点前にも対応可能だ。

bottom of page