top of page
2024/05/ 16 UPDATED!
title. project k-7『寅香合』
date. 2022
city. Tokyo
type. 樂・電気
36年に一度の五黄の寅年だった2022年。
年男でもあったので、2021年暮れから正月に使うつもりで虎型の香合を作り始めた。
粘土である程度の形を造ってから彫り進めていく。
これまで個人的には、干支の道具は玩具やご当地土産のようなものが多いと感じており、あまり心惹かれてこなかった。
インターネットで寅の香合を調べても、かなりデフォルメされているか、虎様に着色されたものが多くヒットする。
基本的にめでたいものなので、ポップでポジティブなものであることには異論はないが、いまいち惹かれない。
変にデフォルメするのではなく、虎という生き物自体がもつ可愛さを表現したいと思った。
今度は虎の画像を検索し、さすがはネコ科、猫のように伸びをしている写真を何枚も見つけた。
香合ということで大体5cm四方までには収めたいので、すこしだけ頭身をデフォルメしつつ、全身の動きを表現していく。
虎の象徴である縞を入れればある程度「虎だ」と伝わるが、尻尾や顔など、他のネコ科の動物と区別できるよう造形していった。
京都黄土と稲荷山黄土をある割合で混ぜ、下地に塗る。
続けて薄いコバルトを塗ってから透明釉をかける。
現代の香合は、内側もきれいに施釉してしまい少し味に欠けるので、施釉箇所を調整している。
身と蓋は別々に、三角錐状のトチと丸トチを使い分けて電気窯で焼成した。
全体に黄色がかった色味になり、溝の部分は色が濃くなっており、造形に素直に合った色となった。
bottom of page