title. project k-3『クレマンソー香合』

おじさんの顔をした香合である。

頭の形とヒゲは千と千尋の釜爺のようだと言う人がいた。

とは言うものの、厳密にはモデルは居ない。

​

『クレマンソー香合』という銘は、ジョルジュ・クレマンソーから来ている。

世界史の教科書においては、第一次世界大戦後のパリ講和会議の挿絵で登場する、立派なヒゲをたくわえた御老人である。

実は彼は3000個近くの香合をコレクションしており、「クレマンソー・コレクション」としてカナダで一部公開されている。

彼は茶道をやっていた訳ではないので、恐らく根付のように小さくて可愛い細工物として好きだったのだろう。

そんなことを頭の片隅に置きながら、このおじさん香合を見ていたら、段々とクレマンソーに見えてきた。

​ということで『クレマンソー香合』と名付けた。

​『おじさん香合』よりは、格好つくのではないだろうか。